05
中大池・上手東の辻
筒井筒中大池
つついづつなかおおいけ
この道祖神の呼び名となっている 「筒井筒」とは、伊勢物語の中の話の一つで、 幼なじみが、恋を実らせ夫婦になるという物語です。 お二人は、公家風の衣装を身につけています。 奥の方の手はお互いの肩に掛け合い 正面では、女神が男神の手をしっかりと握っています。 男神もそれに応えるように、女神にぴったり寄り添っています。 山形村には「筒井筒」と名のつく道祖神が4体ありますが、 石の選び方や彫刻の技法、作られた年代が共通することから 4体ともに、同じ高遠の職人が作ったものであろうと言われています。 ただ、他の3体に比べ、この像はやや風化が進んでおり、 女神の袖の一部がはげて、欠けてしまっているのが残念です。 余談になりますが、この像の右側にある 小さな地蔵は「子宝地蔵」と呼ばれ、 若い女性が抱いて寝ると、子供を授かるという逸話があります。 また、春になると道祖神の傍らの桜が美しく咲き、一層の風情を添えます。