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上大池・中耕地東の辻

大池の頭領

おおいけのとうりょう

碑身菱形の自然石

高 145㎝、巾 170㎝、厚 63㎝

基壇石積み

高 70㎝

記年銘嘉永五子2月8日(1852年)

施主銘大池上郷

中区円輪型

当村南部最大の巨石半肉彫りした抱肩握手の道祖神です。重さは推定で1.5トンはあろうかと思われます。この像の大きさや、容姿からも、生活力の強さを感じさせる道祖神です。堂々たる威厳を備え頼もしさが感じられます。華奢な公家風の双体像とは全く違った感じです。男神が狩衣、女神が小袿で、共に括り袴をきりりと着け、足袋を履いている姿は農民の頭領らしい着付けです。当時の種々の困難を逞しく生き抜いた老夫婦を感じさせる道祖神です。ふくらみをもった曲線、整然とした曲線に加えて端正な直線と細部にわたって美しく彫られています。添彫りには「大池上郷」の施主名が見られます。こんな立派な道祖神を造ったのは、当時の村人の経済力が豊かであったのか、信仰心が強かったのか、想像に駆り立てられます。

祭り春は初午、秋は9月の午の日に、上大池公民館下の住民が参加して昭和末頃まで行われていましたが、今はしていないそうです。

狩衣(かりぎぬ):公家の平服、普段着。

小袿(こうちぎ):特に高位な公家の女子が着る上着。

括り袴(くくりばかま):袖口に紐を通して括り、すぼめた袴。