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上大池・中耕地東の辻
大池の頭領
おおいけのとうりょう
この道祖神は、ご覧の通り、 使われている石が大変大きく立派です。 重さは、推定で1.5トンはあると言われています。 石碑の左下に「大池上郷」と 施主の銘が刻まれています。 どうやら、この地域の有志たちが 連名で造った道祖神のようです。 これだけの大きな石を調達し、 腕の良い職人に造らせたということから、 当時の大池上郷の村人たちが大変豊かな暮らしをしており、 相当の経済力があったと想像できます。 像の方を見てみますと、 道祖神の服装は一般的に、公家風であることが多いのですが、 この「大池の頭領」は、全く違っていて、 男神女神ともに、袴の裾をしぼった 「括り袴(くくりばかま)」を身につけ、 足には足袋を履いています。 これは、農民の頭領、村長(むらおさ)のいでたちです。 農業は今も昔も、自然相手の苦労が尽きませんが そんな困難を乗り越えてきた老夫婦なればこその 威厳や風格、頼もしさが感じられる道祖神です。 髪型やお顔の表情、衣服の膨らみや重ねの具合が、 迷いのない曲線で、端正に彫られています。 こうした手法が、小坂にある道祖神「つつましき女神」に 大変よく似ていることから、同じ職人の作ではないかと言われています。 ぜひそちらもご覧になってみてください。