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小坂・下北沖

酒樽

さかだる

碑身烏帽子型の自然石

高 145㎝、巾 85㎝、厚 50㎝

基壇コンクリートの台座

なし

記年銘嘉永2年(1849年)

施主銘なし

中区円輪型

跪座祝言像です。男神は左手で盃を水平に持ち、女神は右手に提子を下げています。そして、男神の右手と女神の左手は二人の袖の内で握られています。この道祖神の特徴は双像の立つ台座に大きな酒樽が添彫りされ、竹のタガが掛けられています。古来から日本酒は日本独特の飲料として、冠婚葬祭・喜怒哀楽、悲しいにつけ、楽しいにつけ日本人には欠かすことのできないものです。男神は衣冠束帯、女神は十二単衣の出でたち、盃を交わし堅い契りを結んだ見事な男女の像です。安曇野系の道祖神は酒器類の添彫りが多いと言われており、最初にこの型が村に入ったのは弘化2年の車屋美人であり、次いで酒樽、袖中祝言です。もう一つの特徴は、向かって左側面に大正12年10月改刻とあります。この道祖神をよく見ると全体が陽石の形をしています。これを強調する為に?後世の何人かが手を加えたものと考えられます。

祭り上北沖・中北沖・下北沖さん常会合同で、2月上旬に行っています。

跪座(きざ):ひざまずいてすわること。

堤子(ひさげ):つるのある小鍋形の銚子。

衣冠束帯(いかんそくたい):公家の正装を混同していったもの。衣冠と束帯。

十二単衣(じゅうにひとえ):昔の女官の正装