18
下竹田・中通り四つ角
路傍の情熱(一)
ろぼうのじょうねつ
「路傍の情熱」という なんともドラマチックな呼び名が付いたこの道祖神。 男神は女神の肩をぐっと抱き寄せ、 右足を、女神の両足の間に差し入れています。 情熱のほとばしらんばかりのお二人、 足には靴を履いておらず、裸足で、 足の指まであらわになっています。 さらにお二人の足下を見ると、 蓮の花の上に乗った形に彫られています。 着ている物も、公家風の衣装ではなく、 法衣(ほうい)のようなものを身につけています。 また、道祖神は多くの場合、 向かって左側に男神、右側に女神が配置されますが この道祖神は、男女が逆になっています。 このように、蓮の花の添え彫りがあり、 男女逆に配置された像を「仏教系道祖神」と呼びます。 情熱に任せて駆け落ちをされたのか、 はたまた、蓮の上の極楽浄土で、永遠の相思相愛を成就した 幸せなお二人なのか 研究家たちの想像をかきたてる道祖神です。 このような「仏教系道祖神」は、 山形村には他にも「路傍の情熱(二)」と「小人のささやき」の2体があります。 ぜひ、そちらもご覧になってみてください。