06
中大池・下村(中大池公民館)
十二単衣
じゅうにひとえ
この道祖神は、ご覧の通り
ふっくらと立体感があり、
お二人の着物のしわや重なりの線が、
非常に整然と、美しく彫られているのが印象的です。
また、彫刻の部分に、雨や雪が直接あたらないように
「中区(なかく)」と呼ばれる円形の深い彫り込みがあり、
像全体も少し前に傾いた形で造られているために、
繊細な彫刻表現が劣化することなく、
大変良い保存状態を保つ事ができています。
これは、相当腕の良い職人のなせる技に違いありません。
男神は、冠の紐をきちんと顎の下で結び、
女神は、重ねの美しい十二単衣を着ています。
お互いに少々内側に顔を向け、
幾分腰をかがめているようにも見えます。
奥の手はお互いの肩を浅く抱き合い、
正面では、女神が、男神の親指を握り、
男神は女神の親指以外の4本の指を握っています。
お顔の表情はすましていますが、
お二人の仲睦まじさがにじみ出ていますね。
像の際には、御柱が立っています。
この道祖神は、お祀りしている場所が
中大池下村と小坂東殿の二つの地区をまたいでおり、
御柱やお八日様(ようかさま)といったお祭りが
共同で行われ、どちらの地区からも大切にされています。