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中大池・下村(中大池公民館)
十二単衣
じゅうにひとえ
この道祖神は、ご覧の通り ふっくらと立体感があり、 お二人の着物のしわや重なりの線が、 非常に整然と、美しく彫られているのが印象的です。 また、彫刻の部分に、雨や雪が直接あたらないように 「中区(なかく)」と呼ばれる円形の深い彫り込みがあり、 像全体も少し前に傾いた形で造られているために、 繊細な彫刻表現が劣化することなく、 大変良い保存状態を保つ事ができています。 これは、相当腕の良い職人のなせる技に違いありません。 男神は、冠の紐をきちんと顎の下で結び、 女神は、重ねの美しい十二単衣を着ています。 お互いに少々内側に顔を向け、 幾分腰をかがめているようにも見えます。 奥の手はお互いの肩を浅く抱き合い、 正面では、女神が、男神の親指を握り、 男神は女神の親指以外の4本の指を握っています。 お顔の表情はすましていますが、 お二人の仲睦まじさがにじみ出ていますね。 像の際には、御柱が立っています。 この道祖神は、お祀りしている場所が 中大池下村と小坂東殿の二つの地区をまたいでおり、 御柱やお八日様(ようかさま)といったお祭りが 共同で行われ、どちらの地区からも大切にされています。